クリーム・パフとクラブ・タイ

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クリーム・パフは、シュウクリイムのことですよね。
日本のシュウクリイムは、たぶんフランスの「シュウ・ア・ラ・クレエム」から来ているのでしょう。意味は、「キャベツの中のクリイム」。シュウの表面がキャベツに似ているからかと思われます。
では、どうしてキャベツの表面に似ているのか。ぷうと膨らんでいるので。膨らませたシュウの中に、クレエムをとじこめて。それで、「シュウ・ア・ラ・クレエム」。
むかしの、日本のお見合いの席では、シュウクリイムを出さないことになっていたんだそうですね。上品に食べるのに、一苦労だから。それで、エクレアが生まれたのでしょうか。以前のエクレエルは小さくて、ひと口で食べることができた。電光石火のごとく。それで、「エクレエル」なんだとか。
シュウクリイムのことを英語で、「クリーム・パフ」 cr e am p uff。クリーム・パフが出てくるミステリに、『死はわが隣人』があります。英國の、コリン・デクスターが、1996年に発表した物語。

「しかしクリームパフのデザートが出てからは、雰囲気はいちじるしくなごやかになったように思われた。」

これは、モース主任警部の感想。
また、『死はわが隣人』には、こんな描写も。

「ロウブリッジは細い縞のはいったえび茶色のネクタイを見ながら、疑わしげに首をふった。」

ロウブリッジは、「ベア・イン」というパブの主人という設定。客に、学生の多いパブ。ロウブリッジの趣味が、クラブ・タイの蒐集。1954年から、この趣味ははじまって。クラブ・タイの端を切らせてくれたら、ビールを一杯タダで飲ませる約束。
その結果、クラブ・タイが溜まりに溜まって。『死はわが隣人』では、事件を解く鍵が、クラブ・タイ。
そこで、モース主任警部は、「ベア・イン」に行って、お目当てのクラブ・タイを探すという場面。英國人にとってのクラブ・タイは、ある種の身分証みたいなものなんでしょうね。
なにか好みのネクタイで、美味しいシュウクリイムを食べに行きましょうかね。

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