ダイヤとタッサー

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ダイヤは、ダイヤモンドのことですよね。昔の日本では、「金剛石」とも言ったらしい。
ダイヤといえばやはりその大きさが話題になりますようで。
たとえば、「カリナン・ダイヤモンド」。原石で、3,000カラットだったと伝えられています、1905年1月25日。南アフリカの「プルミエール鉱山」で発見。このプルミエール鉱山の所有者が、「カリナン」だったので、カリナン・ダイヤモンドの名前があります。
カリナン・ダイヤモンドはカットした後でも、516カラットの大きさがあったという。
カリナン・ダイヤモンドは、南アフリカ政府が、15万ポンドで購入。1907年に、エドワード七世に献上したと、伝えられています。以来、カリナン・ダイヤモンドは王冠に嵌められているそうです。
もう少し古いところでは、「ピット・ダイヤモンド」があります。1702年に英国の、
トオマス・ピットが、20,000ポンドで購入したので、「ピット・ダイヤモンド」。137カラットの大きさだったそうです。ピット・ダイヤモンドはその後、流れ流れて、結局、ナポレオン・ボナパルトの手に。ナポレオンはピット・ダイヤモンドを、剣の柄に嵌め込んだそうですが。

「………紳士は彼等の未だ曾て見ざりし大きさの金剛石を飾れる黄金の穿めたるなり。」

尾崎紅葉が、明治三十年に書いた『金色夜叉』に、そのような一節があります。尾崎紅葉は、「金剛石」と書いて、「ダイヤモンド」のルビを添えてあるのですが。
「紳士」が、富山唯継であるのは、言うまでないでしょう。

ダイヤモンドが出てくる小説に、『愛人 ラマン』があります。1984年に、フランスの作家、マルグリット・デュラスが発表した物語。

「やがてわたしは指に婚約のダイヤモンドをはめるだろう。」

物語の主人公、「少女」の思いとして。
マルグリット・デュラスの『愛人 ラマン』を読んでおりますと、こんな描写が出てきます。

「ヨーロッパ流の服装、サイゴンの銀行家たちのような明るい色の絹紬のスーツを着ている。」

日本語訳者、清水 徹は、「絹紬」と書いて、「タッサー」のルビを振っています。
「タッサー』t uss ar h は、畝織地。ただし本来は、野蚕糸で織られた絹地。1920年代には、夏服地でもあったようです。
どなたかタッサーのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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