ヴァージニアとヴェルヴェット

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ヴァージニアは、女の人の名前にもありますよね。たとえば、ヴァージニア・ウルフだとか。
もちろん、イギリスの作家です。代表作にもいろいろあるでしょうが。一例を挙げるなら、『灯台へ』でしょうか。1927の5月に発表されています。ヴァージニア・ウルフ、四十五歳の時。余談ではありますが。ヴァージニアは、この時はじめて断髪にしたという。『灯台へ』を読んでおりますと。

「………何しろ一流の靴ですからね。こんな靴を作れる男は、イギリス中に一人しかいませんよ。」

こんな科白が出てきます。主人公で哲学者の、ラムジーの会話として。
ヴァージニア・ウルフは英国の女性作家としては珍しいくらいに、紳士服に深い感心を持っていたお方です。たしか「洒落者」についての著書もあったような記憶があります。

「一つのことの終りに到達することこそ恵まれたことなのだ、と私はうめきながら自分にむかっていう。」

1926年9月13日の『日記』には、そのように出ています。もちろん『灯台へ』の執筆中。もちろん、『灯台へ』の完成間近の頃に。

ヴァージニア・ウルフと仲良しだったのが、キャサリン・マンスフィールド。
キャサリン・マンスフィールドが1920年代に発表した短篇に、『ブリル女史』があります。ちょっと読んでみましょうか。

「上品な老人で、びろうどの服を着て、両手で大きな、彫りもののついたステッキを握りしめていた。」

これはある公園での光景として。
ヴェルヴェットのスーツで公園を散歩したいものです。
どなたかヴェルヴェットの三つボタンのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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