トーストとトンビ

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トーストは、焼いた食パンのことですよね。「トースター」というではありませんか。食パンを焼くための機械が、トースター。
焼かない食パンで作るのが、サンドイッチ。朝食での食パンは、焼いてから食べることが多いものです。第一、バターが塗りやすいではありませんか。
厚く切った食パンにたっぷりのバターを添えるのは、美味しいものであります。
食パンに、チーズとハムという手もあるでしょう。もちろん、「クロックムッシュ」ですね。

トーストが出てくる随筆集に、『花々と星々と』があります。犬養道子の随筆集。

「朝は焼きたてを厚いリネンにくるんだトースト。オートミイル。これはわざわざ銀座の亀屋まで定期的に買いに行った。」

これは戦前の犬養家での朝食風景として。

「半熟卵かベイコンエッグス。果物と牛乳をたっぷり。バタをたっぷり。」

犬養道子は、そうも書いています。また、犬養道子は、「バタ」とも書いているのですが。
ではどんなバタだったのか。

「バタといったら、岩手県小岩井の農場製の、まっ赤な罐に入れられた白いバタだった。」

この「小岩井農場」は、もと「岩崎家」の持ち物で、岩崎家と犬養家とは縁があったという。

犬養道子は、日本の典型的な上流階級の出身で。戦前の日本の上流階級のお暮らしがどうであったのか。それは犬養道子の随筆を読むに限ります。

「………父のトンビの下に抱かれて、ずっと遠くに青々と広がる海を嘘のように眺めながら………」

これは熱海の別荘に行くときの様子として。
犬養 健のトンビの襟には、ラッコの毛皮が付いていたとのことです。

トンビとインヴァネスは似て非なるもの。
トンビは和服用。インヴァネスは洋服用。インヴァネスは着丈が短く、トンビは長い。
どなたか戦前のトンビを再現して頂けませんでしょうか。

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