マジパンって、美味しいものですよね。
マジパンは「マルツィパン」 marzipan の言い方があるんだそうですが。
マジパンはごく簡単にいえば。アーモンドと砂糖を主体にした菓子。まあ、練物にも似ています。どんな形にも仕上げることができる。
ヨーロッパのたいていの国にマジパンはあるらしい。でも、マジパンのはじまりは、ドイツ。ドイツのリューベックだと考えられています。
昔、ある時。リューベックに食料危機が。ちょうどその時、倉庫に大量のアーモンドがあった。で、マルツィパンが生まれたんだとか。
イギリスでのマジパンはなんとなく、新年の印象があるという。ある年の正月。エリザベス女王に、セント・ポール大寺院が贈られた。ただしそれはマジパンで作られた、セント・ポール大寺院だったそうですが。
マジパンが出てくるミステリに、『裏切りのXPD』が。1981年に、レン・デイトンが発表した物語。
「またスタインの大好物であるマルツィパンもこしらえた。」
チャールズ・スタインはアメリカ人という設定。時は、1979年5月26日。所は、ジュネーヴ。ジュネーヴの、「モーリング」という洋菓子店でのこと。この小説には、こんな描写も。
「スタインは最も高価なクリーム色のリンネルの背広を選んだのだったが、それはすでに皺だらけで、白い絹ネクタイの結び目もよじれていた。」
スタインはスタインでも、ビリー・スタインの姿。ビリー・スタインは、チャールズ・スタインの息子という人物。
これは淡いベージュのリネン・スーツでしょうか。でも、白のタイということは、シャツの色は何なのか。
まあ、マジパンでも食べながら、ゆっくり考えるとしましょうか。