エスカルゴとヤッケ

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エスカルゴは美味しいものですよね。
少なくとも古代ローマ人はエスカルゴが美味であることを知っていたようです。ピンの先を少し曲げた道具があって。これを使って、エスカルゴを食べたという。左手にエスカルゴの殻を持つわけですから、ナプキンは必要だったしょう。つまり古代ローマ時代にはナプキンがあった。これを彼らは「マッパ」 mappa の名前で呼んだそうです。これが後にフランスに入って、「ナップ」 nappe になったらしい。で、イギリスで「小さいナップ」の意味で、「ナプキン」に。
イギリス紳士は、「ナプキンはチョッキの下から二つ目と三つ目のボタンの間に留めるように」と教えられた。でも、チョッキを着ること少ない今は、どんな風に教えるんでしょうか。
新田次郎著『郷愁の八ヶ岳』にナプキンの話が出てきます。

「アルプスの山のホテルはどこへ行っても、同じナプキンを使うことが習慣になっているのです。」

アルプスの山のホテルに泊まると。同じ客であれば、前回と同じナプキンが出てくる。それもまた、山での伝統であるというのです。
新田次郎は若い頃、富士山頂の測候所に勤めていた。その時の話。『ブロッケンの妖異』と題して。

「そういいながら男は、ウィンドヤッケ ( 防風衣 ) の頭巾を取り、雪眼鏡をはずした。」

ある日、突然に測候所を訪ねて来た男の姿。
ヤッケはドイツ語のジャケット。ほんとうは、「ヴィントヤッケ」 windjacke なんだそうです。
ヤッケを羽織って、エスカルゴと参りますか。

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