フランセーズから想い浮かべるものに、「アカデミー・フランセーズ」がありますよね。フランス最高の知的集まりだと考えられています。
「アカデミー・フランセーズ」は、ルイ十三世の時代に、リシュリューの後援によってはじまっているんだとか。1635年2月10日の発足だと記録されています。
「アカデミー・フランセーズ」の定員は、四十名。会員に欠けが生まれると、新しい会員が登録される仕組みになっています。とにかく「フランス最高の知性」だと公認されるわけですから、狭き門でもあり、これ以上の誇りはないくらいのものです。
1955年に欠員ができて、ジャン・コクトオが推されたことがあります。この時ジャン・コクトオは凝りに凝ったコート・ドレスを仕立てています。コート・ドレスは、大礼服のこと。なにぶん歴史が古いので、「アカデミー・フランセーズ」のユニフォームは、コート・ドレスなのです。
アカデミー・フランセーズでは、「小説大賞」をも設けています。1939年5月25日に「アカデミー・フランセーズ小説大賞」を受けたのが、『人間の大地』。もちろん、アントワーヌ・サン=テグジュペリの作。
サン=テグジュペリが1931年に発表したのが、『夜間飛行』。原題もまた、『ヴォル・ド・ニュイ』。あまりにもよく読まれたので、同じ名前の香水が生まれたほど。言うまでもなく、ゲランの「夜間飛行」であります。『夜間飛行』の中に。
「僕らはカサブランカや、ダカールのような開化した都市のためには、白ズボンとテニスシャツを用意していた。」
文中の「白ズボン」。勝手な想像をすれば、ホワイト・フランネルではなかったかと。もしそうだとするなら、サン=テグジュペリを気取って、白い、フランネルズを穿いてみたいものではありませんか。