モーセとモック・タートル

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モーセは、あの「モーセの十戒」でよく知られていますよね。とにかく映画にもなったくらいですから。
1956年の『モーゼの十戒』。セシル・B・デルミの監督。チャールトン・ヘストンの主演。長大作映画。もっともセシル・B・デルミには1923年版もあって、出世作となっています。その再生版が、1956年の『モーゼの十戒』なんですね。チャールトン・ヘストン、好演。モーセの真に迫っています。
「モーセの十戒」とは別に、「モーセの歌」があるんだそうですね。これも「十戒」と同じく『申命書』に出てきます。

天よ、耳を傾けよ、そしてわたしに語らせよ。
そして地よ、わが口からの言葉を聞け。

「モーセの歌」はこんなふうにはじまって、長い。長いけれど、とても現実的で、愉しい内容になっているのですが。
本間千枝子著『アメリカの食卓』に、「モーゼの授けたエキゾティシズム」の章題があります。ここでは本間千枝子流のユダヤ料理が詳しく語られているのですが。たとえば、「ゲフュルテ・フィッシュ」。無理矢理、日本で近いものを探すなら、「つみれ」でしょうか。魚の練物。

「玉葱の輪切り、パセリと人参を花型に切ったもの…………………。」

いろんなものを混ぜて、魚の団子にすると、書いたいます。また、『アメリカの食卓』には、「モック・タートル」の話も。
モック・タートルは、一種のスープ。今も昔も亀のスープは貴重品。で、ほんとうには亀を使わないタートル・スープふうの料理を、「モック・タートル」と呼んだわけですね。
そしてファッションのほうにも「モック・タートル」はありまして。一重のタートル・ネック。二重に折り返さない襟元。これをほんとうではないタートル・ネックと称するのです。つまり、「モック・タートル」
なにかお気に入りのスェーターで、「モーセの歌」でも勉強しましょうかね。

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