ピエとピケ

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ピエは、「足」のことなんだそうですね。p i ed と書いて、「ピエ」。
パリには有名な、「オー・ピエ・ド・コション」という店があるらしい。豚足料理が看板なんで、「オー・ピエ・ド・コション」なんだそうです。ひと昔前には、芝居を観た後、この店で熱いオニオン・スープなどを食べるのが、粋だったそうですね。

足は足なんですが。「お足」となると、また別の意味に。お金のことを、「お足」。まあ、直接の表現ではなくて、やや遠回しの言い方なんでしょう。

「お足のひらたいもお着物長ふめせば誰見付る事はなきに。」

井原西鶴が、1694年に発表した『西鶴織留』にも、そのような一節が出てきます。
この「お足」は、昔は女言葉だったとのことです。ことに、硬貨。それも穴の空いた硬貨を「お足」と呼ぶ時代があったという。
お足なのか、マネーなのか。マネー m on ey もまた、お金の意味があります。でも、どうしてお金が「マネー」なのか。
古代ロオマの時代、「アス」という銅貨があって。12オンスの青銅製。これこそ初の青銅貨だったとも。その頃のロオマに、「ジュノー寺院」があって。この側に鋳造所が置かれた。
そして、「アス」銅貨を俗に、「モネタ」と呼ぶようになって。この「モネタ」から、今のマネーの言葉が生まれたんだそうです。

ピエが出てくる小説に、『ゴリオ爺さん』があります。フランスの作家、バルザックが、
1835年に発表した長篇。

「………ジェ・フロワ・トー・ピエと、いうもの」
 と博物館員がいった。

これは言い間違えたのを、訂正してくれた場面として。
バルザックの『ゴリオ爺さん』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「ふだん着は淡青色の服で、白いピケのチョッキを降っても照っても着こんでいた。」

もちろん、ゴリオ爺さんの着こなしについて。
「ピケ」p iq ué は、コットンの畝織地のことです。女の人なら、サマー・ドレスの生地などにも用いられます。
男の場合には伝統的に、チョッキの生地として。現在では主にフォーマル・ウエア用とされるものです。
どなたかピケのサマー・スーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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