手芸とシャルムーズ

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手芸は、自分の手でなにかを拵えることですよね。たとえば、ビーズ細工だとか。
手芸専門店に行きますと、いろんな種類のビーズが並んでいます。ビーズには糸を通せる穴が開いていて。ここに針を使って糸を通して行くと、小物になったりするわけです。ひとつの例としては、小銭入れだとか。
どんなビーズとどんなビーズとを組み合わせるかは、自分の思うまま。少なくとも世界でたったひとつの小銭入れがあらわれること、間違いないでしょう。
では、手芸、いつ頃からあったのか。少なくとも江戸期には、今の手芸らしきものがあったらしい。江戸時代の手芸には、どんなものがあったのか。
紙縒。紙縒と書いて「こより」と訓みます。紙を指で縒って紐状にするから、「紙縒」。今の時代でも紙縒の上手い人がいたりしますよね。
江戸期の紙縒にはどんな使い途があったのか。小箱。紙縒と紙縒とで編むことで、小箱に。この紙縒製小箱の上に漆などを塗ると、立派な小箱になったそうです。
いや、そればかりか紙縒製の生地もあったという。横糸に、紙縒、縦糸に、綿糸。そんな使い方もあったそうですね。
江戸時代の紙はまず例外なく和紙で、和紙の原料には、楮や三椏が含まれていて。木材の繊維。とても強靭だったのです。和紙を手で裂くことはできないと言われたのも、そのためだったのです。
徳川期の手芸のひとつに、「押絵」がありました。今日でも凝った羽子板がありますね。あの羽子板の装飾絵が、「押絵」だったのです。上から上に絵を押し重ねて創るので。「押絵」。あの押絵ももともと家内での手芸から生まれているんだそうです。

「………人形の顔は白羽二重衣は綿ちりめんを……………。

塩谷壽助著『日本服飾考』には、押絵をそのように説明しています。
また、『日本服飾考』には、こんな文章も出てくるのです。

「ちりめんかシャルムーズの変わり生地を、総模様にし、五つ紋付きにします。」

これは女の子の産着の作る方について。
その昔の日本では、産着に「シャルムーズ」が用いられることもあったのでしょう。
「シャルムーズ」 ch arm e us e はれっきとしたフランス語。裏綾の繻子地。日本でも、大正期にはずいぶんと流行ったそうです。
どなたかシャルムーズでシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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