アフリカは、アフリカ大陸のことですよね。大陸を一言で語るのは、難しい。まさに「群盲象を撫でる」になってしまいますから。少し、小さな話を。
1951年の映画に、『アフリカの女王』がありました。ハンフリー・ボガートと、キャサリン・ヘップバーンとの共演。
『アフリカの女王』が、映画。でも、実際にあの映画のもとになった史実はあったらしい。それは、アレックス・カピュの『アフリカで一番美しい船』に、詳しく述べられています。
第一大戦中のドイツ軍が、大きな戦艦をアフリカで造る話。また、その巨大な戦艦を沈めようとする英国海軍の動き。
「〈ゲッツェン〉が噂どおりほんとうにそれほど大きく、強く、速いのであれば、そしてほんとうに恐ろしいほど大きな大砲を積んでいるのであれば………」。
『アフリカで一番美しい船』には、そのように書いてあります。「ゲッツェン」が、その船の名前なのです当時、アフリカの一部に、ドイツ領があって、そこで建造されたので、「アフリカで一番美しい船」と呼ばれたのですが。
1984年に、アフリカを旅した作家に、アルベルト・モラヴィアがいます。その時の体験をもとに仕上げたのが、『アフリカ散歩』。紀行文のような、小説のような物語。
「アルーシャ、二月。ヌーという大かもしかの群れが道を横切って行くので、ランド・ローヴァーを止める。」
アルベルト・モラヴィアは、そんなふうに書きはじめています。また、ガソリンを買うのに苦労した話なども。
「私の仲間はTシャツを取り出した。”Fruut of the loom ”のもので、相手は承知した。」
これは路上での物々交換の場面。カラヴァッシュ三個と、「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」のTシャツとを。カラヴァッシュは、現地のひょうたんで作った器のことなのですが。
アフリカが出てくる小説に、『海に働く人びと』があります。1866年に、フランスの作家、ユゴーが書いた物語。
「………アフリカの魔術師は白い顔をした神ボシュムと会話するが、これはみな同じ現象である。」
また、ヴィクトル・ユゴーの『海に働く人びと』には、こんな描写も出てきます。
「………白とバラ色が縞模様になったアイルランド・ポプリンのぴったりしたスーツを小粋に着こなしていたので………」
これはガンジー島で出会った女の着こなしについて。
「アイルランド・ポプリン」。これは私たちのいう「アイリッシュ・ポプリン」のことかと思われます。
アイリッシュ・ポプリンは、交織地。細いウーステッドと、絹糸との交織地。奥深い光沢があって、美しい布地です。
どなたかアイリッシュ・ポプリンのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。