ショパンとシフォン

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ショパンは、ピアノの詩人ですよね。フレデリック・ショパン。なにかそれ以上の説明が必要でしょうか。
あのシューマンが、ショパンの『お手をどうぞ』を聴いて。

「諸君、帽子をとりたまえ。天才の登場ですぞ。」

そう言ったのは、あまりに有名でしょう。
ショパンは、1849年10月17日、巴里で世を去っています。三十九年の生涯でした。
ショパンがお好きだったフランスの作家に、ジイドがいます。もちろん、アンドレ・ジイド。アンドレ・ジイドには、『ショパンについての覚え書き』があります。
1938年に出版。ただし、ジイドは1892年から、四十年かけて『ショパンの覚え書き』に取り組んでいるのです。

「ここ数日、好調にピアノを練習。毎日三時間出来た。ショパンの『舟歌』を再び練習する。これをより速く弾くのは想像していたほど難しくない。」

1921年6月3日のところに、そのように書いてあります。
アンドレ・ジイドのショパン好きは、自分でピアノを弾くまでに深いものだったわけです。
ショパンは1831年からは、巴里で暮らしています。当時からショパンは人気者だったようです。

「もしいつの日にか六時きっかりにお暇があって、わたしどもの宅へ夕食にいらしていただけるならば、とても嬉しいのですが。」

マリー・ダグー伯爵夫人は、ショパン宛ての手紙に、そのように書いています。日付は、1833年6月13日になっているのですが。

ショパンが出てくる短篇小説に、『愛があれば』があります。

「………壁紙、ショパン、ウーロン茶のことなどを論議しているアトリエだった。」

オー・ヘンリーの物語。
オー・ヘンリーが小説を発表しはじめたのは、1903年頃のこと。そして、1910年には、四十七歳で、天に召されています。つまり、作家生活は、十年に満たないのです。それでいて、星の数ほどの名作を遺しているわけであります。

同じくオー・ヘンリーの短篇に、『縁の金糸で結ばれて』があります。この中に。

「………そうそう、白いシャフじゃなくて白いシフォン、あるいはグレナディンだったかチュールだったか………」

これは「ジェイムズ・ウイリアム夫人」の装いについて。
「シフォン」chiffon は半透明の絹地。平織地。よく女性のブラウスやドレスなどにも用いられる絹です。
どなたかシフォンのシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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