カヤックとアノラック

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カヤックは、小さな舟のことですよね。カヌーにも似ていて。
でも、カヤックとカヌーは、また別のものなんですってね。
漕ぎ手を包むような形をしているのが、カヤック。大きく開いた形が、カヌーなんだそうです。
カヌーではなく、カヤックの話。カヤックとテイラーがちょっと関係があるんだとか。
カヤックのひとつに、折り畳み式のカヤックがある。外側は外側、内側の骨組みは組立て式になっていて。これを現地で組立てると、立派にカヤックとして使えるんだそうです。
この折り畳み式のカヤックのことを、「クレッパー」とも。ひとり用のクレッパーなら、「シングル・クレッパー」、ふたり用なら「ダブル・クレッパー」。そしてまた、「スネイク・アイズ」の呼び方もあるらしい。
ダブル・クレッパーのカヴァーにはふたつの穴が開いていて、これが蛇の目のように見えるからなんだとか。
そもそものクレッパーは、ドイツではじまったらしい。ドイツ、バイエルン、ローゼンハイムで。ローゼンハイムに、ヨハン・クレッパーというテイラーがいた。クレッパーはことに登山服を仕立てるのにたけていたそうですね。十九世紀末のこと。
そして二十世紀はじめに。ヨハン・クレッパーはキャンバス地を使って、折り畳み式のカヤックを完成させた。それで後に「クレッパー」の名前に。1907年ころのことだそうですが。
『アラスカ原野行』に、そんな話が出ています。『アラスカ原野行』は、ジョン・マクフィーの書いたノンフィクション。発表は、1976年。この中に。

「男たちは毛皮の縁取りのついたパーカーを着ている。お互いに手を振ってあいさつ。」

これは偶然、アラスカの原住民と出くわす場面なんですね。男の名前は、クラレンス・ジャクスン。
ここでの「パーカー」は、アノラック anorack なのかも知れませんね。「アノラック」は、イヌイットの言葉からはじまっているんだとか。
寒い時期のカヤックには、たぶんアノラックがお似合いなんでしょう。

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