梨とカナリア

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梨と題につく音楽に、『梨の形の三つの小品』がありますよね。もちろん、エリック・サティ。
サティがお好きだったひとりに、亀倉雄策が。もっとも戦争中の話なんですが。
亀倉雄策が、「ぼくはサティが好きでねえ……」と言っていたら。いつの間にかそれが、音楽評論家の、大田黒元雄に耳に。大田黒元雄、「近頃、珍しく青年だ、一度連れてらっしゃい……」
で、亀倉雄策は大田黒元雄のところに。
大田黒元雄はサティの曲を弾いてくれた。そして最後に弾いたのが、『梨の形の三つの小品』だったそうです。
ある人がサティに訊ねた。「どうして、梨の形の三つの小品、なんですか?」これに対するサティの答え。
「曲というものは、なにか題名があったほうがいいからねえ」
エリック・サティとも親交があった人に、マン・レイがいます。写真家の。マン・レイがはじめてポール・ポアレに会った時。たぶん1921年頃のことでしょう。

「印象的な男で、カナリア色の上衣で入念な身づくろいをしていて、東洋的に見えるあごひげを生やしていた。」

マン・レイ著『セルフポートレイト』に、そんなふうに出ています。
カナリア色のジャケット。いいですね。なにか上着をはおって。梨を探しに行くとしましょうか。

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