ブローニュとボタン・ダウン

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ブローニュは美しい森ですよね。ブローニュの森。ボア・ド・ブローニュ。
パリの中心からもすぐのところ。昔は「ブローニュへ行こう!」といえば、決闘を意味した。それくらい人気のな場所だったそうです。
ブローニュの森を今のように整備したのが、ナポレオン三世。十九世紀のことです。
ブローニュの森がデイトの場所として出てくるのが、『ブラームスはお好き』。フランソワーズ・サガンが、1959年に発表した小説。ここに登場するのが39歳のポールという女性。ポールはインテリア・デザイナー。
ポールは、ジャン・デ・ベッシーという富豪に室内装飾を頼まれる。ここから物語ははじまって。富豪のジャン・デ・ベッシーは、ジャック・ファットの客。ジャック・ファットは1940年代のパリで活躍したオートクチュール・デザイナー。ジャック・ファットの祖母が帽子デザイナーで。ナポレオン三世妃、ウージェニーの帽子を作っていたそうですが。
たぶんポールはジャック・ファットから紹介されて、ジャン・デ・ベッシーの室内装飾を手がけることになったのでしょう。
1959年を時代背景にしたアメリカのしょうが、『いまを生きる』。N・H・クラインバウムが、1989年に発表した物語。つまり1989年から見て、三十年前の話なんですね。この中に。

「トッドは、白いボタンダウンのオックスフォード地のシャツをたたみながらうなずいた。」

トッド・アンダースンは16歳の少年。伝統ある「ウエルトン・アカデミー」の生徒。「ウエルトン・アカデミー」は典型的なプレップ・スクールという設定。ボタン・ダウンのシャツも当然でしょう。
ボタン・ダウンのシャツで。ブローニュへ行きたいものですね。

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