高所恐怖症とルーム・シューズ

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高所恐怖症と、高所恐怖症癖とは、また別なんですってね。
「高い所キライ!」というくらいは、高所恐怖症癖。でも、踏台に立っただけで動けなくなってしまうなら、高所恐怖症かも。
でも、高所恐怖症癖くらいなら、誰にだってあるもではないでしょうか。たとえば、ヒッチコック。ヒッチコックの場合は、「高所恐怖症好き」だったのかも知れませんが。
とにかく「高い所キライ!」という場面をいくつも撮っています。なかでも有名なのが、『めまい』。1958年の映画。キム・ノヴァクと、ジェイムズ・スチュアートの共演ですね。
原作は、ボワロー=ナルスジャッック。フランスの小説、『死者の中から』。
これは、ピエール・ボワローと、トマ・ナルスジャッックとの共作。1958年の発表。
『めまい』は、主人公自身が高所恐怖症という設定。高い所に行くと、めまいが。ここまで典型的でなくても、ヒッチコックは高所恐怖症を想わせる映画をたくさん撮っています。もしかして、ヒッチコック自身も……。
高所恐怖症の話が出てくるミステリに、『ダーティー・ストーリー』が。エリック・アンブラーが、1967年に発表した物語。

「おれには高所恐怖症という厄介な病がある。」

「おれ」とは、物語の主人公、アーサー・シンプソンという人物。英国籍を持つ謎の男。またこんな描写も出てきます。

「頸のまわりにはクリストファー聖者のメダイヨンをつけた金鎖を巻いて、ワイシャツの胸ポケットと黒皮の上履きの爪先にイニシャルを金糸で縫いつけ……」

これは、エミール・アイエクという富豪の、自宅での様子。
黒革のルーム・シューズで、金糸の縫いとり。うーん。私の場合は、「高価恐怖症」なんでしょうか。

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