三つとズボン吊り

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三つと題名につく映画に、『三つ数えろ』があります。
『三つ数えろ』は、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールの共演。両者とも、名演。それもそのはず、ふたりは結婚したばかりだったのですから。
『三つ数えろ』の原作は、『大いなる眠り』。もちろん、レイモンド・チャンドラー。1939年の発表。レイモンド・チャンドラーにとっての長篇第一作。あまりにも凝った内容で。ウイリアム・フォークナーも参加した台本の筋、誰も最後まで理解できなかったとか。
原作『大いなる眠り』の中に。マーロウがはじめて令嬢に出会う場面で、彼女は「背が高いのね……」という。これに対して、マーロウは。
「私のせいではない……」
と返す。いかにもチャンドラー好みの科白。
ただし『三つ数えろ』では、「背が低いのね……」に置きかえられているですが。『三つ数えろ』は、1946年の公開。
1946年に制定されたのが、「パリ警視庁賞」。これはその年に発表されたミステリの中から、優れた小説を表彰するものです。「パリ警視庁賞」は、フランスでのミステリ登竜門になっているんだとか。
2005年の「パリ警視庁賞」を受けたのが、『悪魔のヴァイオリン』。ジュール・グラッセの物語。この中に。

「所長は上着を脱いで、派手な色の幅広のズボンつりをむき出しにしていた。」
これは主人公の、メルシエ警視が、所長を、訪ねた場面なんですね。
「派手な色の」とは、どんなズボン吊りなんでしょう。気になりますが。
さて、なにかズボン吊りをして。『三つ数えろ』の映画を探しに行くとしましょうか。

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