ポートは、ポート・ワインのことですよね。時に、ポルトとも。
ふつう、食前酒として。食前酒なんですが、便利な飲み物でもあります。蓋を開けた後でも、取っておける。ワインに較べて、保存性が高いんですね。
ちょっと難しく言いますと、「フォーティーファイド・ワイン」。酒精強化ワイン、というわけです。
「イギリスでポルトガル産のポートが愛飲されるようになったのは、十八世紀初めにポルトガル駐在の英国大使メスエンとポルトガル政府の間の交渉で、ポート酒の関税がさがり、ポートがフランス産のワインにとって替わるようになったとのこと。」
徳仁親王著『テムズとともに』に、そのように書かれています。
たしかにイギリス人はよくポートを飲むんですが、関税と関係があったんですね。また、それを
皇太子殿下に教わるとも思っていませんでしたが。
『テムズとともに』は、1983年。殿下が英国、オックスフォード大学に留学なさった折の記録が中心になっています。オックスフォードは、マートン学寮に学ばれています。
オックスフォードの町にももちろん、と言って良いのかどうか。ディスコがあって。ある日、ある夜、殿下はディスコに。
「土曜日の時と記憶しているが、私はいかにもディスコが好きそうなMCRのある男性と一緒にとあるディスコに入ろうとして、入口で差し止めらてしまった。理由を聞くと、ティーシャツやジーンズではその時は入れない由である。」
ということは、殿下か、もしくはご友人がジーンズだったのでしょうか。それはともかく、オックスフォード大学、マートン学寮で、時にはTシャツにジーンズということもあったのでしょう。
さて、洗いざらしのジーンズで。美味しいポートを飲みに行くとしましょうか。