パリとウーステッド

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パリと題につく映画のひとつに、『パリの恋人』がありますよね。
1957年の、アメリカ映画。オードリー・ヘップバーンと、フレッド・アステアの初共演。
脚本は、レニー・ガーシェ。監督は、ビリー・ワイルダー。1950年代のはじめ。レニー・ガーシェは偶然、リチャード・アヴェドンに出会う。旅先でたまたま同じ船に乗り合わせて。
リチャード・アヴェドンはファッション写真の裏話なんかをしてくれて。レニー・ガーシェは、「これは、面白い!」と。で、書いたのが、『ファニー・フェイス』。『ファニー・フェイス』を読んで、気にいったのが、ビリー・ワイルダーなんですんね。『ファニー・フェイス』の邦題が、『パリの恋人』。
リチャード・アヴェドン役にビリー・ワイルダーが選んだのが、フレッド・アステア。フレッド・アステアが相手役に選んだのが、オードリー・ヘップバーンというわけなんですね。
ヘップバーンとのはじめての打合せの時の、アステアの着こなしは。
「イエローのシャツに、グレイ・フランネルズ。赤いスカーフを三本使っての、ベルト代り。白いフェルト製のモカシンに、ピンクのソックス。」
だったそうです。
『パリの恋人』の色彩監修は、リチャード・アヴェドン。衣裳デザインは、ふたり。イーディス・ヘッドと、ジヴァンシー。クレジットをどうするか、難しいことだったでしょう。
『パリの恋人』というくらいですから、全編、パリでのロケ。ヘップバーンは、「オテル・ラファエル」のスイートルーム。ひとつだけ注文があって。家具と備品はすべて自分のものを持ち込みたい、と。このことがあってから、ヘップバーンはいつも、家具を持ち込む習慣になったという。
オードリー・ヘップバーンが生まれたのが、1929年5月4日。ジャック・ヒギンズが生まれたのが、1929年7月27日。
ジャック・ヒギンズが1994年に発表したのが、『地獄の季節』。この中に。

「彼は二階にあがり、濃紺のウーステッドのスーツと、白いシャツと、黒のネクタイを取り出した。」

「彼」とは、主人公の、ショーン・イーガン。この着こなしは、アイダという女性に褒められるんですが。
なにかウーステッドのスーツを着て。パリに行きたいですねえ。

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