ジャスミンとスェーター

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ジャスミンの薫りは、美しいものですよね。
ジャスミンの花は白くて、可憐で。
またジャスミンは、見るだけでなく、味わいをも愉しませてくれます。ジャスミン・ティー。まあ、ハーブ・ティーの一種なんでしょう。薫りはもちろん、なにか心を落ち着かせてくれるところがあります。
中国では、茉莉花茶と呼ぶんだそうです。ジャスミンを中国では、茉莉花。そういえば「茉莉」の名前は、ジャスミンの意味でもあるのでしょう。
名前に「茉莉」とつく方もたくさんいらっしゃるのでしょうが。たとえば、森 茉莉。森 茉莉は森 鷗外のお嬢さんで、随筆家。森 茉莉の随筆を読むと、まさしくジャスミンのように天真爛漫であるのが、よく分かりますね。いや、森 茉莉ほど天真爛漫だった随筆家は他にはいないでしょう。
昔、「ジャケツ」の言い方がありました。大正語なのでしょうか。「ジャケツ」は実は今スェーターのこと。でも、どうして「ジャケツ」なのか。森 茉莉著『私の美の世界』を読んで、その謎の一端が解けた気持になりました。

「フランスではスウェターのことをたしかジャケットと言っていた。」

もしそうだとすると、フランスの「ジャケット」が日本にやってきて、「ジャケツ」になったのかも知れませんね。森 茉莉は「スウェター」を次の一語で締めくくっています。

「手編みのとっくりのスウェターなぞは、全く憧れである。」

もちろんハンド・ニットの、タートル・ネックのことですね。

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