プールとブルーズ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

プールには、「雌鶏」の意味があるんだそうですね。フランス語の「プール」 poule 。たとえば、 プール・ド・ブレスといえば「ブレス産の雌鶏」のこと。ブレスはむかしから鶏の名所なんだとか。
プールから勝手な連想をしてしまいました。「プレーヌ」 poulaine 。プレーヌは中世に大流行なった、爪先の長い靴。実際の足の三倍ほどの長さのある靴。そもそもはポーランドからはじまった流行だと考えられていたので、「プレーヌ」。あんまり爪先が長いので、クサリで爪先を引き上げておいたりしたという。
フランス語の「プール」が出てくる小説に、『達磨町七番地』があります。獅子文六が、昭和十二年に発表したユウモア小説。これは昭和十年頃の、巴里の日本人を描いた物語。
登場人物のひとり、中上川 亘がある日、フランス人女性を救う場面があります。そのお嬢さんは、ポン・ヌフの橋から身投げしようとして、中上川が後ろから羽交い締めにして、助ける。身投げのことを古い日本語で、「入水」。もちろん、「じゅすい」と訓みますが。フランス語にもなにか似たような音があったような記憶があるのですが。
また、『達磨町七番地』には、中上川が「ストック」という本屋に行くところが出てきます。

「彼は、青いブルーズを着た店員に、そう云って………………」。

「ブルーズ」 blouse は、「上っ張り」のこと。スモックにも似ています。そして「ブラウス」にも近い言葉。
なにかあっさりとしたブルーズを着て、人だすけがしてみたいものですが。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone