クレイジーとクロコダイル

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クレイジーは、「狂」とも訳せるんでしょうね。たとえば、「熱狂」だとか。
もともと「クレイズ」 craze という言葉があって、「夢中」。この「クレイズ」に「y」をつけて、クレイジー。1576年頃から用いられている言葉なんだそうですが。
巴里の名所のひとつに、「クレイジーホース」があります。わたくし事ではありますが。はじめて巴里に行くと決まった日。とある先輩が私に言った。
「なにはなくても、クレイジーホースだけは観てらっしゃいね。」
「クレイズホース」は、光の藝術。ただただ、圧倒されました。「クレイジーホース」は、1951年に、アラン・ベルナルダンが開いたショウ。アランが考えたのは、女の身体をいかに藝術的に観せることができるのか、であったという。それは美事に成功して、今に至っているわけですが。
「クレイジーホース」には、ネイティヴ・アメリカンの名前の意味もあります。1876年、リトル・ビッグ・ホーンで、カスター将軍に勝った酋長の名前が、「クレイジーホース」。暴れ馬のように強い男だったのでしょうか。
クレイジーで想い出す歌に、『クレイジー・ラヴ』があります。1958年の、ポール・アンカの歌ですね。ポール・アンカは、1957年の『ダイアナ』で拍手喝采となって。このとき十六歳くらいですから、天才でもあったのでしょう。『ユウ・ア・マイ・デステニイ』などもありますが、『クレイジー・ラヴ』も名曲。ポール・アンカの天才的歌唱力が活きています。
「夢中」になるから「恋」をするのか。「恋」をするから「夢中」になるのか。これはもう永遠の謎でありましょう。
以前、英国に、「クレイジー・ギャング」というコメディアン・グループがあったんだそうですね。この「クレイジー・ギャング」が出てくるミステリに、『シングル&シングル』があります。ジョン・ル・カレが、1999年に発表した物語。

「クレイジー・ギャングの代役を務め、ボブ・ホープとも握手をしたこともある男で……………」。

これは、「エリック」という名の芸人のことなのですが。また、『シングル&シングル』には、こんな描写も出てきます。

「洒落た白いサマースラックスの折り返しの下から、鰐革の靴が突き出ているのが見えた。」

これは、「ムッシュー・フランソワ」と呼ばれる男の着こなし。
もちろん、クロコダイル・シューズには「夢中」ですが。いかんせん高嶺の花であります。

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