ジョッキーと仕立て

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ジョッキーは、騎手のことですよね。馬を上手に走らせる人のことです。ジョッキーはジョッキーでも、「ディスク・ジョッキー」。
ディスク・ジョッキーは、1941年頃から使われているアメリカ英語。レコードを馬にたとえて、「レコードを上手に走らせる人」の意味なんでしょう。
ジョッキーは音楽とも服装とも関係があります。ひとつの例を挙げますと、下着の「ジョッキー」。これは1934年頃にはじまっています。1930年代以前の男の下着は、多くトランク型。「ジョッキー」は比較的初期のブリーフ型だったのです。それで、「ジョッキー」。それというのも、騎手は乗馬の都合、ブリーフ型が好都合だったのでしょう。おそらく「騎手は穿いているスタイル」の含みがあったものと思われます。
ジョッキーが出てくるミステリに、『本命』があります。ディック・フランシスが、1962年に発表した物語。

「鞍を外すと軽量室へ行って、ケイトのま新しい服色に着替え、クレムに十ポンドの鉛板をチョッキに入れさせた。」

これは主人公で、騎手の、アラン・ヨークの様子。鉛に板をポケットに入れることで、騎手間の調整をつけるのでしょう。また、『本命』には、こんな描写も出てきます。

「四十代の半ばくらいで、体のガッチリした、仕立てのいい服を身につけ洗練させた感じの男であった。」

これは、アラン・ヨークに会いにきた男の描写。
騎手のアラン・ヨークは一目で、「いい仕立て」がわかるんですね。
いい仕立てとは、過不足なく身体にフィットしていて。無駄な皺がまったくない服のことです。
まずまずの仕立ての服を着て。競馬を観に行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone