ローファーとローデン

ローファーは、靴のひとつですよね。
loafer と書いて「ローファー」と訓みます。
もともとの意味はアメリカ英語としてはじまっているのでしょう。
スリップ・オン・シューズの一種。紐もボタンもなしに履いたり脱いだりできる靴のこと。
ローファー。ひと昔前のアメリカでは、「ウイーク
ジャンズ」weejuns と呼ばれたものですね。
これは「バス社」の商品名が、そのまま一般化したものです。
「バス」Bass は、アメリカ、メイン州の靴メイカー。
1876年に、ジョージ・ヘンリー・バスがはじめたので、その名前があります。
バスの名前が識られるようになったのは、「バス・ベスト・ナンバー・フィフティーン」が優秀、頑丈だったから。
これは当時の樵たちが愛用したワーク・ブーツだったのですね。
1936年になって。「エスクワイア」誌の編集者が、バスに土産を持って来て。それはノルウエイ産の、手作りのアザラシのモカシン。
これをもとに作ったスリップ・オン・シューズだったので、「ウイージャンズ」と命名。ノーウイージャンを短くして「ウイージャンズ」に。
このバスの「ウイージャンズ」がその時代の大学生に、好評。
ごく自然に「ウイージャンズ」と呼ばれるようになったわけ。
ローファーが出てくる小説に、『通過者』があります。
2011年に、フランスの作家、ジャン=クリストフ・グランジェが発表した長篇。

「〈ラコステ〉のポロシャツにジーンズ〈591〉、靴はローファー、プロレタリア階級出身という鎖を断ってしまった、」

これは若い学生たちの着こなしとして。
また、『通過者』にはこんな描写も出てきます。

「医師はローデンの木製ボタンをかけ、スポーツバッグも締めた。」

これはダヴィッド・ティオーという医者の様子。
「ローデン」lodeンは、古いドイツ語の「ロード」lode から来たとの説もあります。「ロード」は、「毳のある生地」の意味だったとか。
どなたか木製ボタンのついたローデンを仕立てて頂けませんでしょうか。