ペンスとペンシル・ストライプ

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ペンスは、ペニイのことですよね。ペニイ p enny は単数。ペンス p enc e は複数。もちろん、英国の通貨。
いうまでないことですが。ポンドがあって、シリングがあって、ペニイがあって。1971までのイギリスは12進法。12ペンスが、1シリング。12シリングが、1ポンド。ずいぶんと暗算の勉強になったものです。
無理矢理、日本に置き換えるなら、「一円」でしょうか。サマセット・モオムの有名な小説に、『ムーン・アンド・シックス・ペンス』があります。もとより『月と六ペンス』。ゴーギャンの人生を描いた、名作。これも日本の「月とスッポン」に少し似ているかも知れませんね。大きく、違う。でも、丸いところだけは似てるよね、と。

「小銭を大切にすれば、大金を自ずと大切にするようになる」

これは、1750年2月5日付けの、チェスタフィールド卿が息子に宛てた手紙の中に出てきます。
ただし、これはその昔、英國の大蔵大臣だった、ウイリアム・ラウンズの言った言葉だと、断った上で。日本の、「一円を嗤う者は一円に泣く」にも近い言い回しなのでしょうか。
このパロディが、「意味を大切にすれば、音は自ずから生きてくる」。これも、「センス」に「サウンド」をひっかけてあるんですね。うまいもんです。
ペンスが出てくるミステリに、『バグダットの秘密』があります。1951年、アガサ・クリスティーが発表した物語。

「という次第で一週間分の俸給 ( マイナス九ペンス ) をハンドバッグに納めて……………………。」

これは、ヴィクトリアという女性の様子。また、『バグダットの秘密』には、こんな描写も出てきます。

「紫色の細縞の背広を着た黒い髪の青年がドアの外に立っていた。」

「細縞」。もしかすれば、ペンシル・ストライプでしょうか。チョーク・ストライプに対して、「ペンシル・ストライプ」。順序からいえば、まず最初に、チョーク・ストライプがあったのですね。
ペンシル・ストライプのスーツを着て。ペンス単位の買物を致しましょうか。

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