ジャガーとシープスキン

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ジャガーは、アフリカに棲む動物の名前ですよね。豹とも似ていますが、豹とはまた別の動物なんだとか。
ジャガー j ag u ar は、トゥピグアラニー語の「ジャグアラ」 j ag u ar a から出た言葉なんだそうです。それは、「ひと突きで相手を倒す」の意味。とにかく走るのが断然速くて、とても強い動物だという。
もちろん自動車の名前でもあって、「ジャガー」。J ag u ar を「ジャギュア」と発音し、書いたのが、伊丹十三。一時期、伊丹十三の愛車は「ジャギュア」でありました。その伊丹十三の「ジャギュア」を巴里からスペインまで運んだのが、白洲次郎。旧き佳き時代の、ほんとうにあった話です。
伊丹十三が美事なのは、「ジャギュア」と口にしても、ちっとも気障にはならなかったことでしょう。
自動車のジャガーは、ライオンから生まれています。1935年のことです。英國人、ウイリアム・ライオンズが、「ジャガー」と命名したのですから。
ウイリアム・ライオンズは、1901年。イギリスに生まれています。二十歳頃からバイク好きで。1922年に、サイド・カーを完成させています。やがてコーチ・ビルダーを経て、自動車メイカーに。それが、1928年のことであります。
史上、53台しか生産されることがなかったのが、「ジャガー Cタイプ」。主にレース専用車と考えられていたから。でも、「ジャガー Cタイプ」をあえて、公道で走らせる粋なお方もいたのですが。「ジャガー Cタイプ」は、丸みを帯びた優雅なシルエットの自動車でありました。
ジャガーが出てくるミステリに、『死者を鞭打て』があります。ギャビン・ライアルが、1972年に発表した物語。

「一台だけ見慣れない車がいたが ー この地域では珍しいことではない ー それはえび茶色のジャガー XJ 6 だった。」

ギャビン・ライアルも英国人ですから、ジャガーには素通りできないのでしょう。また、『死者を鞭打て』には、こんな描写も出てきます。

「まず、シープスキンのジャンパーを脱いだ。」

これは主人公の、ジェイムズ・カードの、「ロイズ」での様子。
一度、ジャガーEタイプを、シープスキンのコートで、走らせてみたいものですね。

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