バグダットとパグリー

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バグダットは、イラクの首都ですね。バクダットでの買物といえば、ペルシア絨毯を想い浮かべるお方もいらっしゃるでしょう。
バクダットはミステリの宝庫なのでしょうか。たとえば、アガサ・クリスティーに、『バグダットの秘密』があります。『バグダットの秘密』は、長篇。これとは別に、『バグダットの大櫃の謎』があります。こちらは、短篇なんですが。
アガサ・クリスティーは1920年代末、実際にバグダットを旅してもいます。その点、小説の背景にバグダットをもってくるのは、ごく自然でもあったでしょう。
単にミステリと言って良いのか、どうか。『バグダットで足止め』もあります。ジェフリー・アーチャーの名作。最後にどんでん返しが待っていますから、ここでは粗筋を申しあげるわけには参りません。
バグダット生まれの、ハミッド・ゼーバリーが主人公なので、『バグダットで足止め』なんですね。物語は、1986年5月にはじまります。この中に、ペルシア絨毯の買い方が出てきます。なぜなら、ハミッド・バーゼリーのお父さんは、有名なペルシア絨毯の商人だったから。

「濃いトルコ珈琲を何杯も飲む」

そんなふうに書いています。バザールで売り手が言ってくるのは、だいたい正価の三倍。それに焦らず、ゆっくり交渉する。その時の小道具が、濃いトルコ珈琲。トルコ珈琲をゆるりゆるりすすりつつ。と、最後には三分の一の値段になるんだそうですね。
バグダットが出てくるミステリに、「底なしの井戸』があります。1922年に、G・K・チェスタトンが発表した物語。

「ひどい話さ、バグダット出身の質屋が自分の戦いを我々にやらせるとは。」

『底なしの井戸』には、こんな描写も出てきます。

「両英国人はともに軽装で、パグリーを巻いた日よけ用の白いヘルメット帽をかぶっていた。」

パグリーは、パガリー p ug ar e e とも。インド、ヒンディー語から、英語になった言葉。英語としては、1665年頃から使われているらしい。
「パガリー」は、帽子の後ろの「垂れ」のことです。
やはりバグダットを旅するには、パグリー付きの帽子がいいかも知れませんね。

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