閼伽は、聖なる水のことですよね。
閼伽と書いて、「あか」と訓みます。神社などに行きますと、御像に水をかけることがありますね。あれが、閼伽。浄めのための尊い水なのであります。
サンスクリット語の、「アルガ」 argh a から出た言葉だという。
もともとの「アルガ」は、客人をもてなす水から来ているんだとか。
閼伽のための専用の井戸を、「閼伽井」。たとえば東大寺、二月堂の、「若狭井」は、閼伽井として有名でありましょう。
「きよげなる童などあまた出で来て、閼伽たてまつり、花をりなどをするも
あらはに見ゆ。」
『源氏物語』にも、そのような一節がありますから、「閼伽」の歴史も古いんでしょうね。
閼伽と、「アクア」aq u a 。なんか音が似ていますよね。アクアもラテン語で「水」の意味があります。
ラテン語の「アクア」と、サンスクリット語の「アルガ」もどこかで関連があるんだそうですね。
運動した後の水の一杯は旨いものです。アスリート athl et e とアクアも密接に関係があります。
子供の頃。運動中の水は厳禁とされたものです。が、今は反対に、スポーツ中の水分補給は良いこととされているようですね。時が変れば話が変ることもあるのでしょう。
「勝治は、相變らずランニングシャツにパンツという姿で、月夜つてのは、つまらねえものだ……………………。」
太宰 治が、昭和二十一年に発表した小説、『日の出前』に、そのような文章が出てきます。ここから想像するに、「ランニング・シャツ」の言葉が一般に用いられるようになったのは、昭和二十年以降のことなのしょうか。
「彼は黄色いランニングと、白いパンツ一つになり、ヴァレエボールの前衛のセンターをやった。」
昭和二十五年に、長谷川四郎が書いた『シベリヤ物語』にも、そのような一節が出てきます。
これは、「ターバレフ」という名のロシア人の姿。長谷川四郎は、ただ「ランニング」と書いていますが、おそらくは「ランニング・シャツ」のことかと思われます。
「彼はYシャツも脱いでしまって、袖なしの真白なランニング・シャツだけであった。」
昭和二十四年に、三島由紀夫が発表した『仮面の告白』にも、「ランニング・シャツ」が出てきます。私としては今のところ、戦前での「ランニング・シャツ」の例を探すことは出来ませんでした。子供の頃、私もよくランニング・シャツを着たものですありますが。夏にはたいてい、シャツの下の部分だけが白く陽灼けからまぬがれていた記憶があります。
ランニング・シャツは、和製英語。アメリカ英語では「アスレティック・シャツ」
athl et ic sh irt ということがあります。「運動用シャツ」というところでしょうか。
イギリス英語には、「シングレット」 s ingl et の言い方があります。
どなたか絹のジャージのアスレティック・シャツを作って頂けませんでしょうか。