パーマとパジャマ

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パーマは、パーマネントのことですよね。もう少し丁寧に申しますと、パーマネント・ウエイヴでしょうか。
「美容院でパーマをかけてくる」。そんな言い方をするではありませんか。
あのパーマネント・ウエイヴは、1905年にはじまったとの説があります。
1905年に、チャールズ・ネッスラーがロンドンで公開した「電髪」が最初だった、と。
パーマネントが日本に伝えられたのは、大正十二年の五月。
神戸で美容院を経営していた、「紺谷すみ」がパーマネントの機械一式を輸入。紺谷すみは、外国人相手の美容院だったので、早かったものと思われます。

「………娘たち、最後のパーマネントへ出かける………」

徳川夢声著『夢声戦争日記』1943年9月26日のところに、そのように出ています。
電力の節約が厳しくなっているので。夢声は、この『日記』の中で、「パーマネント」と書いているのですが。「パーマ」と略すことが多くなるのは、戦後からのことでしょうか。

パーマが出てくる随筆集に、『続々パイプのけむり』があります。團伊玖磨作の名随筆。

「………例えばパーマネント・ウェイヴをパーマと言うように………」

團伊玖磨は、『ディスカス』の章題の中で、そんなふうに書いています。日本人は外来語を短くするのが好きだ、と。
ひとつの例として、「デパート」。本来は、「デパートメント・ストアー」であるはずなのに。

『続々パイプのけむり』には、『パジャマ』の随筆も含まれています。

「………パジャマという物には、不思議に、胸の部分にポケットがある事である。」

團伊玖磨は夜寝ようとしてパジャマを着ると、胸ポケットが気になって寝つけない。そんなことも書いています。
ポケットはさておき、安眠のためのパジャマは、上質の絹地。シルクのパジャマは、夢心地。
どなたか極上の絹のパジャマを作って頂けませんでしょうか。

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