アイディアとアノラック

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アイディアは、思いつきのことですよね。もう少し気取って申しますと、着想でしょうか。もう少し飾って言いますと、名案でしょうか。
「アイディア」idea は、1531年頃からの英語なんだそうです。。このアイディアは、ギリシャ語の「イデア」と関係があるらしい。そしてギリシャ語の「イデア」には、「見る」の意味があったという。よく見ることは、アイディアの源なんでしょうか。

日本には、「三上」の言葉があります。馬上、枕上、厠上。
馬に乗っている時。さて寝ようとする時。………。そんな時に妙案が浮かびますよ、という教えなんですね。

アイディアが出てくる短篇に、『檸檬』があります。大正十四年七月に、梶井基次郎が発表した小説。最初、『青空』という同人誌のために書いたものです。今では、梶井基次郎の代表作ともされています。

「不意に第二のアイディアが起つた。」

これは当時の京都「丸善」が背景。主人公は、「丸善」でアイディアが浮かぶ。それはたまたま持っていた檸檬を、丸善の本棚に置いたらどうなるか。そんなアイディアなんですが。

アイディアが出てくるミステリに、『グリーン・サークル事件』があります。1972年に、エリック・アンブラーが発表した物語。

「新しいアイディアが気に入れば、彼はたちまち飛びつく。」

これは「ハウ博士」についての主人公の感想として。
また、『グリーン・サークル事件』には、こんな描写も出てきます。

「私が借りた毛皮の裏地付きのアノラックは彼女の父親のもので………」

では、「彼女」はどんな装いなのか。

「彼女は古い馬用ブランケットを仕立て直したような、だぶだぶのポンチョまがいのものを羽織り、黒いフェルトのアンクル・ブーツを履いた。」

憧れますね。
アノラックはもともとイヌイットの民族衣裳。前開きがないのが、特徴。イヌイットはアザラシの毛皮でアノラックを作ったという。
どなたか都会向きのアノラックを作って頂けませんでしょうか。

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