コンサートとコル・ローレ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

コンサートは、音楽会のことですよね。主にクラッシック音楽の時に「コンサート」がふさわしいいのでしょうか。ポップスなどには、「ライヴ」というではありませんか。
少し似たものに、「リサイタル」があります。リサイタルはソロの場合に多く用いられる言葉なんだそうですね。
日本での「コンサート」の言葉、いつ頃から使われているんでしょうか。

「………今日のコンセルトに『顕世』を独唱した歌者で、少し離れて遠巻に六七人、此の学校の制服を着けた男生徒と………」

明治三十八年に、小栗風葉が発表した長篇『青春』に、そのような一節があります。
小栗風葉は、「コンセルト」と書いているのですが。
小栗風葉の『青春』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「………紺の細綾のモオニングのシックリ能く似合う、些っとハイカラアがかった三十ばかりの紳士風の男。」

明治三十年代には、ブルーのモーニング・コートが珍しくはなかったのでしょう。

コンサートが出てくる小説に、『テレビジョン』があります。1997年に、フランスの作家、ジャン=フィリップ・トゥーサンが発表した物語。

「………硬貨数枚、コンサートの切れはし………」

これは「ぼく」のポケットから出てきたものとして。
また、『テレビジョン』には、こんな描写も出てきます。

「この朝は黒い上着に、薄いウールの洒落たグレーのタートルネックを合わせ………」

これは詩人にして外交官の、ハンス・ハインリッヒ・メヘリウスの着こなし。
タートルネック。フランスなら、「コル・ローレ」でしょうか。直訳すれば「ロール・カラー」になるんですね。
どなたかフランスふうのコル・ローレを編んで頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone