ペンとペルカル

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ペンは、筆記具のひとつですよね。「ペンシル」というではありませんか。鉛筆のことを。
万年筆は、「ファウンテン・ペン」。まるで泉のごとくインクが流れ出てくるから、「ファウンテン・ペン」なのです。
シャープ・ペンシル。ボールペン。サインペン。考えてみれば「ペン」のつく言葉は少なくありません。あるいはまた、「ペンは剣より強し」の言葉もあります。
「ペンは剣より強し」。十九世紀英国の文人、ブルーワー・リットンが、その著『リシュリュー』で言ったのが、はじまりとのことです。

ペン pen
はラテン語の「ペンナム」pennamから来ているんだそうですね。それは「羽根」の意味であったという。昔は鳥の羽根をペン代わりに使ったので。たとえば、鵞鳥の羽根だとか。
羽根の先をナイフで削って、ペン先にしたのです。そのための小刀が、「ペン・ナイフ」だったのですね。

「主税は、しかゝつて居た翻訳の筆を留めて、請取つて見ると………」

泉 鏡花が、明治四十年に発表した『婦系図』に、そんな一節が出てきます。
泉 鏡花は、「筆」と書いて、「ペン」のルビを添えているのですが。
ここからの想像ですが。泉 鏡花は翻訳の時にはペンを使ったのでしょうか。

ペンが出てくる小説に、『ピエレット』があります。フランスの文人、バルザックが1840年に発表した物語。

「姉は姉で、手にペンをもち、考えごとにふけって………」

また、バルザックの『ピエレット』には、こんな描写も出てきます。

「そのナイト・キャップは彼女の手製のもので、ペルカル織、襞飾りつきである。」

これはピエレットのかぶっているナイト・キャップの説明として。
「ペルカル」per cale は、キャラコに似た綿布のことです。実に応用範囲の広い素材。
どなたか十九世紀ふうのペルカルでシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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