エルサとプラストロン

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エルサといって思い出すデザイナーに、エルサ・スキャパレリがいます。

エルサ・スキャパレリは、イタリア、ローマの生まれ。1914年に倫敦である貴族と結婚。その後、NYに渡って、巴里に。巴里に移ったのが、1924年のこと。ポール・ポアレに会ったことから、モードの世界に。一時期、マギー・ルフの店で働いたこともあるんだそうですね。

その後、独立。やがてリュー・ド・ラ・ペエ 4番地に店を開いています。エルサ・スキャパレリは人を驚かせるのが、大好き。で、「ショッキング」の言葉をよく使ったものです。「ショッキング・ピンク」も、エルサの発明。「スリーピング・ブルウ」も。ハイヒールの形をした帽子を発明のも、スキャパレリ。

そしてもうひとつ有名なのが、ファスナーのついた女性の服。ドレスにファスナーを採用したのは、エルサ・スキャパレリが、最初。1930年のことです。

男の服のジッパーとしては、1926年の例があります。アメリカの「H・D・リー」が、ブルー・ジーンズの前開きにジッパーを付けています。それ以前には、すべてボタン開きだったのです。

1926年に発表された小説に、『シェリの最後』が。フランスのコレットが書いた、切ない物語ですね。

「ここから見えるあなたって、白いプラストロンと白い顔だけが真っ暗闇に宙吊りになってるの……」。

これはもちろん、シェリの科白。プラストロンはふつう、礼装用シャツの硬い前部分。たいていは簡単に外せるようになっています。

またこの本式のプラストロンに似た、シャツやブラウスの前身だけの飾りのことも。ただし、最近はあまり見かけません。どなたか、作ってくれませんかね。

わがエルサを探しに行くにも、使えるかも知れませんし……。

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