フィレンツェとハンカチ

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フィレンツェは、イタリアの古都ですよね。そして、美しい街でもあります。
花の女神、フローラからやがて「フィレンツェ」となっという。美しいのも当たり前でしょう。
フィレンツェといえば、メディチ家で、中世にはウール産業で栄えた街なんだそうです。
中世のフィレンツェには、中世の刻が流れていた。時間の数え方が今とは少し違っていた。現在は、正午12時があって、午後の1時、2時と進む。ところがルネサンス期のフィレンツェでは、午後8時で、一区切り。その次は、「夜の1の時」。その次が、「夜の2の時」……。つまり「夜の2の時」は、今の午後10時なんですね。
これはたぶん、日没をひとつの目安にしたからなんでしょう。高階秀爾著『ルネッサンス夜話』に詳しく出ています。
この優れた書の中に、ルカ・ランドゥッチの話が紹介されています。ルカ・ランドゥッチは、1436年頃、フィレンツェに生まれた商人。商人なんですが、克明な日記を遺している。
ルカは、フィレンツェで薬の原料を扱ったという。1461年頃、「フランチェスカ」という店で働いて、年俸、50フロリンであったとか。これも、今となっては貴重な資料でしょうね。
ルカは、1466年5月に、結婚。サルヴェストラというお嬢さんと。サルヴェストラは富豪の娘で、持参金が400フロリンであったとか。その他、お輿入れの品々についても、こと細かく。
たとえば、「手織りの麻によるハンカチ 二十四枚」 などと。
それはそれは上等のハンカチだったのでしょう。そして、ルネサンス期にも「一ダース、二ダース」という数え方があったのでしょうか。
お気に入りのハンカチを携えて。フィレンツェへまた行きたいものですね。

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