奇人は、「奇妙な人」のことなんでしょうね。また、変人とも。では、奇人と変人は、どう違うのか。さあ。
奇人は奇人でも、畸人と書くこともあります。では、奇人と畸人、いったいどんな風に違うのか。
奇人は、なろうとしてなれるものではありません。天然自然に、あるがままにして、それが他人から見ると「奇人」というのが、ほんとうの奇人なんでしょうね。奇人なのか畸人なのかはさておき。奇人のひとりやふたり住めないようでは、面白くないのかも知れませんが。
作家にはどうも奇人が多いように思うのですが。たとえば、稲垣足穂。稲垣足穂は一時期、洋品店を開いてもいたんだそうですね。どんな品を並べていたのか、気になるところですが。稲垣足穂は子どもの頃からの、飛行機好き。まあ、その意味では、子どもがそのまま大きくなったようなお方でもあったのでしょう。
稲垣足穂ほどはやくから、「少年愛」を語った人も少ない。「少年愛」を書き続けた人生、そうも言えるかも知れませんね。
稲垣足穂を贔屓にした人に、佐藤春夫がいます。佐藤春夫の弟が、夏樹で。稲垣足穂は以前、佐藤夏樹の家に住んでいたことがあるんだとか。
稲垣足穂は、佐藤春夫の影響から、ある時から鼻眼鏡を愛用しはじめたそうですね。鼻筋を摘む式の眼鏡なので、「パンス・ネ」とも。
そういえば、稲垣足穂は『鼻眼鏡』という題の小説をも書いています。
もう少し鼻が高いと、パンス・ネにするところなんですが。
Previous Post: 柚餅子と雪駄
Next Post: ロシアとロマンチック