阿片とアーガイル

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阿片は、英語で「オピウム」 opium 。フランス語でも、「オピウム」。これはギリシア語で「罌粟」を意味する「オピオン」と関係があるんだそうですね。
罌粟から阿片が精製されるようになったのは、1805年のことなんだとか。
一時期、阿片を常用した作家に、ジャン・コクトオがいます。では、どうしてコクトオは阿片を使うようになったのか。
1923年12月12日。レイモン・ラディゲが世を去る。ちょうど、二十歳の時に。この頃コクトオはラディゲのことを恋人であるかのように想っていたので、失望落胆。それで、「死んじまおう」と。コクトオに死なれては困るので、友だちのルイ・ラロアが阿片を。1924年のことです
コクトオはこの時の阿片経験をもとに、『阿片』を書いています。1930年に。この中に。

「阿片の匂いは世界中で一番馬鹿らしくない匂いだ」

これはピカソの言葉として書いています。阿片にはなにかの匂いがあるんですね。
そういえば、1977年にイヴ・サンロオランが発表した香水が、「オピウム」。異国的な百合の香りが中心となっています。
異国的といえば、「オピウム」の容器は日本の印籠の形になっていますジャン・コクトオは1963年に天国に召されていますから、「オピウム」を使うことはなかったでしょうね。
ただ、コクトオの晩年に写された写真を観ると、アーガイル柄の靴下を履いています。モノクローム写真でもあり、ウールなのかコットンなのかも定かではありませんが。たしかに、アーガイル柄になっています。
アーガイル・ソックスを履いて、コクトオの初版本を探しに行くとしましょうか。

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