ギリシアは、美しい国ですよね。古代には、多くのギリシア神話があったことでも知られています。
ギリシア神話のひとつに、「アマゾン」があります。Amazonはもともと「乳房を落とした」の意味があったという。アマゾンは騎馬民族で、弓の術に長けていた。弓を引くのに右の乳房が邪魔になるので、落としいた。もちろん「神話」ですからね。
アマゾンは子供が生まれると、そのうちの女児だけを育てた。ために「女族」となったのです。女族なのですが、好戦的で、まことに強い。なまじ男なんて叶わない。それが、アマゾン。
かのヘラクレスも、アマゾンのヒッポリュテという女戦士と戦ったことがあるんだとか。その時代、アテネの英雄だったテセウスは、アマゾンのアンティオペに懸想して、拐かしたとも伝えられています。
ギリシア神話で有名なアキレウスは、アマゾンのペンテシレイアと戦って、組み伏せた。で、最後にとどめを刺そうとして顔を見て、あまりの美貌にとどめが刺せなかったそうですね。アマゾンは強くて美しくあったというお話。
ギリシアに関心のあった作家に、三島由紀夫がいます。三島由紀夫はたいてい、「希臘」と書いたようですが。
「希臘国に最大の福祉を齎したるところの………………」。
三島由紀夫が昭和二十三年に発表した『獅子』の一節に、そのように出ています。
三島由紀夫がほぼ同じ頃に書いた短篇に、『宝石売買』があります。この中に。
「乗馬袴を穿いていらつしやるのね」
という会話が。これは「久子」が「片桐」に対しての言葉。「乗馬袴」の右に、「キユロツト」のルビが振ってあります。おそらく乗馬用のキュロットなのでしょう。
馬に乗るかどうかはさておき。時にはキュロットも穿いてみたいものです。キュロット姿でギリシアに行けるかどうかは、また別問題ではありますが。