シュルレアリスムは、超現実主義のことですね。とは言ったものの、「超現実主義」がなになのか。私にはちんぷんかんぷんではありますが。
ただ、「シュルレアリスム」を言いはじめたのが、フランスの、アンドレ・ブルトンであるのは、間違いないところでしょう。1924のこと。アンドレ・ブルトンは、1924年に、『シュルレアリスム宣言』を発表しています。この中に。
「彼のまわりの沈黙は、彼のもっとも貞節な思考であったあの一足の靴下は、あの一足の絹の靴下は、どうなったのか?」
まあ、これがひとつの「シュルレアリスム」なんでしょうね。アンドレ・ブルトンが「宣言」したところの、シュルレアリスムは、当時の藝術家に少なからず影響を与えたようです。たとえば写真のほうでは、マン・レイだとか。
マン・レイが1932年に撮ったものに、『セルフポートレート』があります。そこには、今まさに写真を写しているマン・レイの姿が写されています。例のソラリぜーションによって。
マン・レイは、白麻のシャツにタイを結んだ姿。その襟先の長いこと、長いこと。まさに「超現実的」に長いのです。バリモア・カラーは、シュルレアリスムなんでしょうか。
シュルレアリスムが出てくる小説に、『厨房日記』があります。横光利一が、1937年に発表した短篇。
「スヰスのその街ではシュールリアリズムといふ心理形式の發會式が行はれた。」
ただ、そこには主催者は誰も来なかった。それが、シュルレアリスムなのだ、と。
でも、市長は出席。
「さていよいよその日になつてシルクハット、モーニングの市長を初め…………………。」
うーん。シュルレアリスムもずいぶん凝っていますね。今、私がシルク・ハットをかぶったなら、はたしてシュルレアリスムになるものでしょうか。