フロマージュとブロケード

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フロマージュは、チーズのことですよね。チーズもまた、いつでも、どこでも食べられる良さがあります。
そしてまた、ワインによく合う。美味しいチーズがあって、美味しいワインがあって、美味しいパンがあれば、もうそれだけで満足です。
チーズにお詳しい明治の文人に、漱石がいます。

「乾酪の中で、いくら虫が動いても、乾酪が元の位置にある間は、気が付かないのと同じ事で……………………。」

夏目漱石が、明治四十二年に発表した『それから』の一節。
漱石は「乾酪」と書いて、「ちいず」のルビを振っています。
これは、イタリアの「カース・マルツゥ」を指しているのではないでしょうか。イタリア、サルディニアの名産。ちゃんと虫が入っているフロマッジョ。虫も好みくらいですから、美味しいに決っています。
チーズが出てくる小説に、『ミイラとの論争』があります。1845年に、ポオが発表した物語。

「………僕は溶かしチーズをかけたトーストが大好物だ。」

物語の主人公の「僕」なのですが、たぶんポオ自身もお好きだったに違いありません。チーズ・トーストに添えて「僕」はビールを飲んだのでありますが。
この『ミイラとの論争』には、「アラミスタケオ」という名前の医師が登場。この
「アラミスタケオ」をどんな服装なのか。

「………ピンクのギンガム製のシュミーズ、金襴でつくった胴着……………………。」

ここでの「金襴」は、ブロケードでしょうね。
どなたかブロケードのヴェストを仕立てて頂けませんでしょうか。

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