蓄音機とチロリアン

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蓄音機は、懐かしいものですね。蓄音機は今や古語のたぐいでしょうか。つまりは、レコード・プレイヤー。
昔の英語では、「フォノグラフ」 phonograph と言ったんだそうですね。「フォノグラフ」の名づけ親は、エジソン。1877年のことです。
フォノグラフを実際に完成させたのは、エジソンの助手、ジョン・クルーシだと伝えられています。1877年12月6日に。
この世界初の蓄音機には、なにが録音されていたのか。エジソン自身が歌う「メリーさんの羊」だったそうですね。
もっともその頃の蓄音機は、レコード盤ではなくて。筒状になっていた。筒状にスズ箔が貼ってあって、ここに溝が刻まれていた。
この頃のフォノグラフを使ったのが、旅芸人。旅芸人はフォノグラフで音を聴かせて、投げ銭を頂く。その投げ銭の中から、フォノグラフの使用料を払ったという。誰もいない箱の中から声が出てくるのが、不思議だったでしょうね。
蓄音機が出てくる映画に、『皇帝円舞曲』が。1948年の、パラマウント映画。ビリー・ワイルダー、監督。ビング・クロスビー、主演。そうなんです、ミュージカル映画。
ビング・クロスビーが演じるのは、ヴァージル・スミス。ヴァージル・スミスは、フランツ・ヨーゼフ皇帝に蓄音機を理解してもらう技師の役。この『皇帝円舞曲』の中でビング・クロスビーが歌うのが、『奥さまお手をどうぞ』。流行りましたね。余談ですが、衣裳担当は、イーディス・ヘッド。
ビリー・ワイルダーはイーディス・ヘッドにひとつだけ注文をつけた。
「予算はいくらかかってもいいですから……」。
『皇帝円舞曲』の背景は、オーストリア、ウイーン。ウイーンということもあって、ビング・クロスビーが、チロリアン・ジャケットを着る場面があります。ダブル前の。
さて、チロリアン・ジャケットを着て。蓄音機探しに行くとしましょうか。

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