カルヴァドスとカフ・リンクス

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カルヴァドスは、フランス、ノルマンディーの蒸溜酒ですよね。原料が林檎なので、広く「アップル・ブランデー」と呼ばれることもあります。
ふつうブランデーは、ワインから造られるもの。これに対してカルヴァドスは、シードルから。それというのも、ノルマンディーは北フランスにあって、葡萄の栽培には適していないので。でも、葡萄の代わりに林檎がたくさん実ってくれるのです。まさに天の配剤とはこのことでしょうね。
シードル、つまり林檎酒をさらに蒸溜して、カルヴァドスが得られる。アルコホル度数は、ほぼ同じくらい。42度前後。
カルヴァドスはノルマンディーの地名で、この周辺で醸されたアップル・ブランデーだけが「カルヴァドス」の名前を名乗ることができる決まりになっています。
広くカルヴァドスの中でも、「レグマンテ」と記されるものは優秀品とされます。さらにその上をゆくのが、「アペラシオン・カルヴァドス・ペイ・ドージュ・コントローレ」。もしカルヴァドスのエティケットに、この表示があったなら、まずは最高級の銘酒と考えて良いでしょう。
カルヴァドスが出てくるミステリに、『富豪ガラテイの陰謀』があります。1987年に、ピーター・カニングハムが発表した物語。

「ノルマンディーはフランス解放をめざす連合軍が上陸した場所として有名だし、馬とカルバドスの産地としても有名です。」

これは調査員の、ローランスの科白。また、『富豪ガラテイの陰謀』には、こんな描写も出てきます。

「ワイシャツの袖口のカフス・リンクスについた燦然たる小粒のダイヤ。」

これは保険会社の社長、ジム・クラップの着こなし。英語ではふつう、「カフ・リンクス」
cuff links ということが多いようですね。
それにも、ダイヤの嵌ったカフ・リンクスとは。まあ、せめてお気に入りのカフ・リンクスで、美味しいカルヴァドスをいただくとしましょうか。

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