カードとカラー・ボタン

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カードと言ってまずはじめに思い浮かべるのは、トランプですよね。トランプは、和製英語であるらしい。
英語で、「買ったあ!」という時、「トライアンフ!」と言う。この「トライアンフ」が訛って、トランプになったとか。英語ではふつう「カード」ということが多くようですね。
カードより古い言い方に、「かるた」があります。歌留多の字を宛てたりも。これはポルトガル語で「カード」を意味する「カルタ」 carta から来ているようです。天正年間に、長崎で流行ったと、伝えられています。
そもそも今のトランプの源は、十四世紀のヴェニスに生まれたとの説があります。それはごく単純な絵合わせで、枚数は今のものより多かった。これを例のゴンドラの中で遊ぶのが、当時の貴族の愉しみであったという。
トランプの特徴は、キングとクイーンのあることでしょう。では、あのキングとクイーンにモデルはあるのでしょうか。
トランプがほぼ今の形になったのは、英國で、ヘンリー八世の時代。ということはトランプ王様はヘンリー八世を象ったものとも言えるでしょう。
カードが出てくるミステリに、『悪魔の報復』があります。エラリー・クイーンが、1938年に発表した物語。

「カードが滝のように床にこぼれ落ちた。彼女は床にあぐらをかいて、カードを拾った。」

「彼女」とは、大富豪の娘、ヴァレリー・ジャーディンのことなんですが。『悪魔の報復』には、こんな描写も出てきます。

「ウォルターはパッと起き直って、カラーのボタンをはめようとした。」

ウォルター・スペイスは、大富豪の息子という設定になっています。「カラーのボタン」とは、何でしょうか。
要するにむかし風の、ディタッチト・カラーのことなのでしょう。付け襟。シャツを着てから、後で、別襟を付ける。カラー・スタンドの前後にボタン・ホールがあって、これを使って、カラー・ボタンで留める式のシャツ。
時にはカラー・ボタンのシャツを着て、カード遊びをしてみたいものですが。

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