葱とネップ

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葱は美味しいものですよね。
葱の一種に、玉ねぎがあります。もちろん、オニオンのことです。玉ねぎもまた、どんな風にしても、食べられて、また美味であります。生の玉ねぎには生の佳さがあり、煮込んだ玉ねぎには煮込んだならでは美味さがあります。
玉ねぎを生で頂く時に。繊切りに致しまして、水に晒す。晒した玉ねぎをば布巾で包み。水を切る。水を切った玉ねぎを小鉢に盛って。上からおかかをぱらぱらと。この上から醤油を目薬ほどかけて、口に運ぶ。思わずため息が漏れるほどに………………。
古代エジプトにも玉ねぎはあったという。いや、玉ねぎはニンニクと並んで、重要な食材であったという。あの巨大なピラミッドは、玉ねぎとニンニクの力で建設された。そんな説さえあるほどに。
1347年のヨオロッパに、疫病が流行って。でも、倫敦の、玉ねぎとニンニクを商っている店だけは、疫病が素通りしたと伝えられています。
玉ねぎの出てくるミステリに、『青い蝶の刺青』があります。ローレンス・サンダーズが、1993年に発表した物語。

「自家製のライ麦パンに、ノルウェー産のイワシのオイル漬け、トマトの輪切り、赤玉ねぎの薄切りが乗っている。」

これはものの主人公、アーチー・マクナリーが、自宅でランチを食べる場面。また、『青い蝶の刺青』にはこんな描写も出てきます。

「ネップヤーンのチェビオットのダブルの三揃いを着ている。」

これはアーチーの父。富豪で、弁護士という設定。
「ネップ」は、節糸のこと。本来は手紡ぎゆえの、自然にできる節糸。つまり、そもそもは手紡ぎのしるしでもあったのですが。
まあ、それはともかく。ネップのあるトゥードを着て、美味しい玉ねぎを食べに行くとしましょうか。

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