手袋とディッキー

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手袋は、グローヴのことですよね。手を護ってくれる袋なので、手袋。
拳闘の選手が使うも、グローヴ。野球の選手が使うのも、グラヴ。野球はアメリカ的で、拳闘はイギリス的だということなんでしょうか。
手袋の買い方について。
「札を数えてから買え」
そんな言い方があります。これから買おうとする手袋を嵌めて、一枚、二枚、三枚………………。で、間違いなく数えられるようなら、買うべし。
つまり、手にぴったりフィットする手袋こそが上等という考え方なんだそうですね。
その昔、ボオ・ブランメルは三人の手袋職人に、一双の手袋を作らせたとか。親指を作るのが上手い職人と、他の四本の指を作るのが上手い職人と、それらを仕上げるのが上手い職人との。
『美しい暮しの手帖』二号に、「手袋を縫いましょう」という記事が出ています。昭和二十四年の一月のことですから、ざっと70年ほど前のことになります。

「自分で作つた手袋」は、買つた手袋よりなんだかほのかに暖かい気がします。」

小川 常緑子はこのように、書きはじめています。また、「内縫い」にするか「外縫い」にするかの違いについても、述べているのですが。
『美しい暮しの手帖』第二号には、ちゃんと原寸大の手袋の型紙がついています。ちょっとしたことですが、立派なことではありませんか。ほんとうに自分で縫ってみようという気持にさせてくれますからね。
この同じ『美しい暮しの手帖』第二号に、「男のひとのデイツキー」の記事も。担当は、松山 いね。松山 いねも、小川常緑子 も、私にとっては未知のお方なのですが。
でも、ディッキー d ick ey なら知っています。「胸当て」とでも訳せば良いのでしょうか。

「冬は、セエタアを着たりするので、こんな風なデイツキー ( 後のついているフロントジレー ) を作つて上げましょう。」

松山 いねは、そんなふうに紹介しています。
ディッキーは「ハーフ・シャツ」です。頸まわりだけのシャツ。上にチョッキなどを重ねたら、まったくのシャツに思えてしまうところが、ミソ。
ディッキーがいいかどうかはさておき。時と場合によっては、何かを自分で作るという発想があってもよいのではないでしょうか。

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