ぶどう酒とフロック

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ぶどう酒は、ワインのことですよね。ワインはまた、ヴァンのことであります。イタリアなら、ヴィーノでしょうか。
福島慶子の随筆集に、『ヴァンは酒ならず』があります。この福島慶子のお考えに従うなら、「ぶどう飲料」としたほうがよいのでしょうか。
福島慶子は、福島繁太郎の奥方だったお方。福島繁太郎は昭和の偉大な、絵画蒐集家だった人物。画家の、ジョルジュ・ルオーとも親友だったという。
その一方で、福島慶子は、多くの名随筆を遺してもいます。その代表作が、『ヴァンは酒ならず』。ヴァンは人生の佳き伴侶という意味なのでしょう。
ぶどう酒が出てくるミステリに、『クイーン検察局』があります。1954年に、エラリイ・クイーンが発表した物語。

「アーノルドさんと書物を論じ、ボードローさんとぶどう酒を語り………………………」。

たしかに、ぶどう酒は「語る」ものでもありますからね。また、『クイーン検察局』には、こんな描写も。

「クイーンさんには、しゃれた服の裾と角のある牛肉の現金をあげてくれ………………」。

これだけではさっぱりわからないのですが。実は、言葉遊び。日本語でも、「ハマクラカム」。これ、「鎌倉ハム」のことなんですね。難しく言いますと、頭音転換。「頭」の文字を入れ替えての言葉遊び。
英語では、「スプーナーリズム。その昔、オックスフォード大学の神学教授だった、ウイリアム・スプーナーが、得意だったので。いや、得意というよりは、スプーナーは知らず知らずに言っていたことなのですが。
さて、話を『クイーン検察局』に戻しますと。「キュート・フロック・テイル」と言ったのです。「フルーツ・カクテル」のスプーナリズムとして。
まあ、それはともかく。長く人生の中で、一度くらい、フロックを着てみたいものですがね。

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