アレクサンダーと赤シャツ

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アレクサンダーは、男の子の名前ですよね。Al ex and er は、時に「アレクザンダー」と発音することもあるようですが。「アレックス」と略称されるのは、たいていこのアレクサンダーのことなのでしょう。
たとえば、電話を発明したとされるグラハム・ベルの名前も、「アレクサンダー」。
アレクサンダー・グラハム・ベルは、1847年3月3日。スコットランドのエディンバラに生まれています。生まれて時の名前は、「アレクサンダー・ベル」。十一歳の時、お父さんに「ぼくもミドル・ネイムが欲しい」と言って、つけてもらったのが、「グラハム」だったのですね。
アレクサンダー・グラハム・ベルのお父さんが、エドワード・ベル。お母さんの名前が、メイヴィル・ベル。アレクサンダーが十二歳の時に、お母さんの耳が聞こえにくくなって。アレクサンダー少年は、なんとかして、耳の不自由のある人を助けたいと、思ったようです。
1877年に。アレクサンダー・ベルは、メイベル・ハバードと結婚。7月11日のこと。このメイベルもまた難聴であったと伝えられています。不思議な偶然といえば、その通りでもあるでしょう。
アレクサンダーが出てくる小説に、『地下街の人びと』があります。
アメリカの、ジャック・ケルアックが、1958年に発表した物語。

「ジューリアン・アレグザンダーは地下住人たちの天使である。」

これは、古沢安二郎訳『地下街の人びと』によるもの。1959年7月30日。新潮社から初版が出ています。そこで、著者名は、ジャック・ケラワックとなったいるのですが。
今はふつう、「ジャック・ケルアック」と表記されるようです。ジャック・ケルアックには、『禅ヒッピーたち』の著作もあります。
事実、ケルアックは、日本の禅の大家、鈴木大拙にも会っているのです。
1950年代、鈴木大拙はアメリカにいて。ケルアックを自宅に招いています。その内容はさておき、鈴木大拙とケルアックとが親しく語りあったことは間違いないでしょう。
そんなこともあって。鈴木大拙は比較的はやい、ジャック・ケルアックの、日本への紹介者でもあったのですね。
また、『地下街の人びと』の中に、こんな描写も出てきます。

「例の赤シャツの牧羊神に似た青年といっしょだった晩の後のことである……………………。」

「赤シャツ」といえば私たちは、漱石の『坊ちゃん』の登場人物を想うところがあります。が、でも、真面目に考えて、「男の赤シャツ」は、悪くないものです。
また、男には男に似合う赤シャツがあるものですからね。
ぴったりと似合う「男の赤シャツ」は、ちょうど十歳、若く見せてくれる力を持っているものです。

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