薔薇とパトゥ

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薔薇は、美しい花ですよね。英語だと、「ロオズ」r os e となります。
「美しい薔薇には棘がある」とは申しますが。あんなに美事な姿に懐剣を必要でしょうね。
薔薇が嫌いというお方は、まずいません。求婚の言葉にはぜひとも、薔薇の花を添えるべきです。求婚の成功率高められること、間違いなしであります。
薔薇の種類もひとつに、「マダム・ルネ・コティ」というのがあるんだそうですね。
「マダム・ルネ・コティ」は、1955年に完成した薔薇の名花。この名花を創ったのが、フランシス・メイアン。薔薇つくりの名人であります。
マダム・ルネ・コンティは、1955年、ニイスで行われた第一会の「薔薇祭」で優勝。その名前は、当時、フランス大統領夫人に捧げられたものだったという。
ちょうどその頃、ルネ・コンティ大統領は、アルプスの、ヴィジルという村で避暑中。早速、特別車で、大統領夫人のもとに届けられたそうですね。
これは、瀧澤敬一著『ばらの花束』に出ている花なのですが。
瀧澤敬一は、『パリ・モードの泥棒』と題する随筆をも書いています。

「ディオール、ファート、ランヴァン、パトゥの四店が………………」

と、書きはじめています。要するに、モオドの流用があったので、それを連名で、問題にする、との内容なのです。時はやはり、1955年のことであります。
文中、「ファート」とあるのは、たぶん「ジャック・ファット」のことかと思われます。
それにしても、「パトゥ」は懐かしいお名前ですね、ジャン・パトゥ。J e an P at o u は、1880年に、フランスのノルマンディーに生まれています。生家は、有名な革の鞣し屋だったと伝えられています。
1912年に、巴里に出て、「メゾン・パリイ」という名前の婦人服店に勤めています。
今でも、「プリンセス・ライン」の言葉があります。あれはもともと、ジャン・パトが創ったものだったそうですね。
また、ジョセフィン・ベイカーの衣裳を担当したこともあるそうです。
1930年代までのオオトクチュール・デザイナーの中で、もっとも洒落者であったのも、ジャン・パトゥでありました。
薔薇のブートニエールが気障にならないダンディだったのです。

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