兎とウイグル・キャップ

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兎は可愛い動物ですよね。英語なら、「ラビット」。フランス語なら、「ラパン」でしょうか。
兎とおしゃれも、まったく無関係でもありません。極上のソフト帽は、ファー・フェルトで作られることになっています。そしてファー・フェルトの正体は、兎の毛なのです。
1786年に、円山応挙は、『木賊に兎図』を完成させています。円山応挙の時代から、兎は愛玩動物だったのでしょう。
「玉兎」は、菓子の名前にもあります。たとえば、京都の「老松」にも、「玉兎」が。これは、兎の形の薯蕷饅頭なのです。
また、新潟「弥彦」の「玉兎」は、干菓子。兎の姿の干菓子なのです。これもまた、昔から兎が愛されていることの証明なのでしょう。

🎶 ちらちらするもの あれは何
  あれは ね 兎のながい耳

『畑の兎』という童謡に、そんな歌詞が出てきます。この『畑の兎』にメロディーをつけたのが、團伊玖磨。

「黒の雄を一匹と、黒と灰色の雌をそれぞれ一匹宛、合計三匹下さい。」

團伊玖磨著の随筆『重ねて パイプのけむり』に、そのような一節が出てきます。
これは、團伊玖磨が逗子のペット・ショップで兎を買う場面として。
團伊玖磨は兎を飼ったから、『畑の兎』を作曲したのか。それとも『畑の兎』を作曲するために、兎を飼ったのか。さあ。

團伊玖磨著『重ねて パイプのけむり』を読んでおりますと、帽子の話が出てきます。

「鼻筋の通った彫りの深い男達の多くは碗状のウイグル帽を被って働いていた。」

ウイグルには、ウイグル・キャップがあるのでしょう。これは、團伊玖磨が中国を旅した時の印象として。
西洋にも「碗状の帽子」はあります。それは「スカル・キャップ」。頭にぴったりかぶるので、その名前があります。
どなたかウイグル・キャップを日本でもかぶれるように作って頂けませんでしょうか。

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