ジプシーとシェニール

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ジプシーは、昔の放浪の民のことですよね。Gypsy と書いて「ジプシー」と訓むんだそうですが。

「………中世にバルカン半島にやってきて、やがてそこからヨーロッパ大陸の全体、さらにその彼方へと広がっていった人々の歴史である。」

1992年に、アンガス・フレーザーが発表した『ジプシー』は、そのように書き起こされています。
著者の、アンガス・フレーザーは、1928年3月10日に、スコットランドに生まれています。
1928年に、出版された詩集に、『ジプシー歌集』があるのはご存じの通り。もちろん、スペインの作家で詩人のガルシア・ロルカによるものです。

血統正しいジプシーとして
藁色の繻子で作った
大きな縫いもの籠を女に贈った

ガルシア・ロルカの『ジプシー歌集』には、そんな詩の一節も出てきます。

1926年頃に書かれた短篇に、『処女とジプシー』があります。出版は、1930年のことですが。いうまでもなく、英国の作家、D・H・ロレンスの筆になるものです。

「………あのジプシーの黒いズボンの上で左右に揺れていた濃緑色のジャージーや………」

そんな描写も出てきます。
また『処女とジプシー』には、このような文章もあります。

「ルシールは緑色と銀色のドレスを、イヴェットは青緑色のシェニール糸で縫い取りされた淡いライラック色のドレスをそれぞれ身に着けた。」

「シェニール」chenille は、「毛虫糸」のこと。太い糸の表面が、美しい毳で覆われているので。フランス語では、「シェニーユ」となるのですが。
どなたかシェニール糸で、スェーターを編んで頂けませんでしょうか。

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