スワンとスリーヴ・バッジ

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スワンは、白鳥のことですよね。swan と書いて「スワン」と訓みます。

白鳥は死ぬ前に、美しい声で歌うという伝説があるんだそうです。いわゆる「スワン・ソング」であります。
古代ギリシアの時代から「スワン・ソング」の伝説は信じられていたとのことです。
哲学者のプラトンやアリストテレスなども「スワン・ソング」を信じていたという。
ここから転じて、作曲家の最後の作品を、「スワン・ソング」と形容することもあります。
あるいはまた、「エイヴォンのスワン」の言い方もあって。これはシェイクスピアの美称。シェイクスピアが、ストラットフォード・アポン・エイヴォンの生まれであることに因んで。これを言い出したのは、ほぼ同時代のベン・ジョンソンだったそうですが。

「双頭の白鳥」。昔の英国で有名だった旅籠屋の名前。
「ザ・スワン・ウイズ・トゥ・ネックス」。旅籠屋の看板に、「双頭の白鳥」が描かれていたので。
今日のグレシャム街にあった旅籠屋。ロンドンから北に旅立つ時の拠点だったそうです。

スワンが出てくる日記に『サミュエル・ピープスの日記』があります。

「それからハーバートの「スワン」へゆき、しばらくセアラを相手にする。」

1665年5月14日のところに、そのように書いてあります。『サミュエル・ピープスの日記』には、何度も「スワン」が出てきます。たぶんサミュエル・ピープスの行きつけのパブだったと思われます。
また、『サミュエル・ピープスの日記』には、こんな話も出てくるのです。

「これはいいチャンスと、袖かざりを二、三注文した。この先も縫いもの仕事はこの女に頼もうと思う。」

1665年4月4日の『日記』に、そんなふうに出ています。これはピープスの役所近くの洋品店でのこと。ピープスは靴下を買いに行ったのですが。そこで見事な「スリーヴ・バッジ」を見つけたので。
「スリーヴ・バッジ」sleeve badge は、「袖章」のこと。金や銀のブレイドで、二本三本とあしらうわけです。
どなたかスリーヴ・バッジの映える上着を仕立てて頂けませんでしょうか。

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